最終段階。
最終段階をむかえつつある仕事が、いくつか。
島袋さんが、(アートショップで買えるものではなく)書店に並ぶ本としては、
絵本、「きゅうりの旅」以来の初作品集。
随分とまえから、40歳になったら、作品集を僕と作るのが夢だなぁ。
と何度か耳にしていた。
ベルリンに住んでいる島袋さんより、僕の方が出版社を知っているから、
何気に、現実的に可能性がありますか?
と、いくつかの出版社に、このご時勢の中、打診しました。
有り難く、いくかの、前向きな意見を伺いました。
しかし、リトルモアの担当編集者を通し、
社長の孫さんのスピーディーな一声で、決まりました。
この場を借りてありがとうございます。
ベルリンとの色校正のやりとり。
島袋さんが、届くであろう途中、フランスへ行かれるとの事で、すれ違ってしまった。
結果、フランスから帰って来て、巨大なベルリンの町外れまで、取りに行ってもらう始末に。
印刷のクオリティー、写真の再現性で、選んだのでなく、手触り観で選びました。途中、大問題が発生しましたが、それも、プリンディレクターの予想で、克服。その手間はかかっているのですが、びっくりする仕上がりに。この方法を島袋式と呼んでいいですか?との嬉しい話まで。後は、最後のねばり。あいちトリエンナーレに間に合わせるように動いています。(海外も)
また、篠山紀信さん撮影の玉三郎氏の、歌舞伎座の最終までを追った写真集
「THE LAST SHOW」。
玉三郎氏の仕上がり観のイメージは、オレレオララ。
普通であれば、記録的に印刷特性の良い紙でハーカバーとなるところが、全く別方向が示された。
玉三郎氏がADといっても差し支えありません。
これも、たくさんのヒヤヒヤした道程はありましたが、
すばらしいところに収まりました。
アメリカのリッツォーリから発売される、
蜷川実花さんの豪華版の作品集。
取り係りから、もう、2年近くも経っています。
その最終段階にやっと、辿り着きそう。
印刷が、中国で行われている為、こちらの、微妙な意見は、すぐ、極端になってしまう。
紙も、インクもお国柄も違うから、当然の事もあるだろうけれど、
微妙な差が、決定的な差になってしまう事との格闘は、なんども不毛とさえ思った。もちろん、お国柄を尊重してやる方法もあるけれど、これは、ちょっと、違う。結果、いろんな事を考えると日本で刷った方が、一番と思うのだけれど、出版社の譲れない意向が、、、。後は、刷り。ちょっとドキドキ。
今日、朝日新聞の土曜版のページに、尊敬する書体デザイナーの小林彰さんが。
デザイナーには彼の著書、「英文書体1、2」が教科書になった。
しかし、最近、あるデザイナーから、「文字のスペーシングは、書体デザイナーが決定しているから、手を加えない」と、話を面を会わせて聞いた。
まして、その本は読んでいるらしい。なので、たんなる読解力。この本によれば『英文書体P100〜』、(個人的にはたくさんの、ここには収まらないお話を伺っていますが)書体デザイナーがスペーシングの完成度に掛けられる度合いは、9割を目指す。そして、最後はデザイナーに委ねるという内容。(P103,スペーシングに万能薬ナシ)
だったら、最終の整備はグラフィックデザイナーに委ねると書かれているんだから、言い訳言わないで、それも他人のコトバを使って逃げないで欲しい。
そうは、言っても僕は、スペーシングは、絶対的なものはないと思う。
しかしながら、いくつかの法則はある。
1 カーニングさえせず触らない(仲條さんから伝承されている方法)
2 プロ用のフォントをきちんと買って、きちんとする。(もしくは、追いつこうとする)
3 自分用の、ユニークな新たな考え方をベースする。(手抜きではなく)
4 書籍の本文、雑誌の本文のように、ベタ組が美しく、また、新聞のタイトルやブログのように、時間的な制約があり、手の付けようながない。場合、ベタ組みをする。
の4点。
単に方言的にやってしまうのは、ユニークではなく、書体デザイナーや歴史への冒涜でしかない。
僕が作っている、講談社現代新書。
表紙、カバー、帯は、かなり手を加えているけれど、
本文では、隅々まで、見れない事実がある。
しかしながら、本文の基本設定には、秘密がある。
単にベタ打ちに見えるが、混植し、漢字とひらがな等の文字の大きさも変えているし、スペーシングさえも、機械的に出来る範囲で設定している。
なんだか、キレイだな?とすぐにこの職業の人は不思議がるが、ごもっともな事なんです。これも、培ってきた経験と、小林彰さんの本が、全ての日本人のデザイナーにとってバイブル化した経緯も大きいと思う。
時代と共に変わるのが、文字の事。
しかし、iPadのデモンストレーションの「アリス イン ワーダーランド」だったかな?
本文のf iの文字がfiのように合字になっていないし、文字を大きくするとワード間を決める法則を設定していない為、ただただ、左右揃えで開いてしまっていて、がっかり。小林さん、泣いているような気がする。しかし、逆にライノタイプ進入し、整備してくれるかもしれない。発展途上の、電子書籍。
そして、やはり、書体デザイナーは、聖域の人。僕は、ただただ、コスプレくらいのもの。